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張り子のお面がほしいなぁ、とぼくは思いました。
それは狐の顔をしたお面です。 怪しいけれど、愛嬌のある狐のお面を、ぼくはもうずいぶん探していました。 前は壁にかかっていた狐のお面は、今はもうありません。 きまぐれな狐のお面は、何処かへ遊びに行ったっきり、まだ帰ってこないのです。 きっとまた、他の仲間たちと何処かのお祭りに出没しているんだろうな、と思います。 夏のお祭りがはじまるまでには帰ってくるといいのですが。 ------- 狐の面は、今欲しいモノのひとつです。 今年こそは手に入れたい。 PR |
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あなたに捧げるものは 頸をさらけだして跪く少年なのです 乳白色の首輪をはめた、大地と太陽の滴のような子ども とじた瞼、すべらかな肌、睫毛の影がちらちらと震えているのが見えますか 黒い髪は柔らかく渦巻き、灼けた手足はすらりとのびて 己に何が待ちうけているかも知らないその姿 石から切り出された彫刻の像というのは、こんなふうかもしれませんね さあ、あなたのために用意したのですから どうぞ、あなたのお気の召すまま この子どもは その瞼をあけた途端に あなたの虜となるでしょう ひざをついた床の冷たささえ忘れて たとえ身の内に残る一片の 困惑を含んだ恐怖さえ あなたの目を捉えれば 一瞬にして甘美な刺激に生まれ変わり 身体に走る痺れは想うあなたへの悲哀へと変わりましょう これより流す涙は すべて あなたさまのものにございます -------------------------------070525 |
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じりじりと むわむわと そえそえと ゆるゆると はらはらと えめえめと なにかが そこのほうから やってくる どこのそこ そこのそこ ここのしたから みずからの からだのなかの みずのなか こぽこぽと そぽそぽと くぽくぽと のぼるように おしあげられて ちかづいてくる (なにもみたくない みたくてもまえがみえない) (みたいものがみたい みたくないものはみえない) (みえないものがみたい みえるものをみようとしない) どこから どこから やってくる それは どこから みずからの うちから みずのおうかんのように わきあがる それ は なに |
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汽車のたび 汽車での旅、夜行列車での旅、というものはどれも文学的な匂いがする。 なんだか懐かしく、鮮烈で、身体に潜む電気的な因子が、躍動ごとに枠をこえて飛び散っていくようだ。 心臓に鼓動ひとつ、確りと数えられるくらいに熱をもって動力部はまわっていく。 はくはくと、このまちどおしくてたまらない一連の時間こそ、その目を透明に光らせ、真んまる団栗にさせるのである。 魅力的、とひと言でいうには勿体ないくらい、それは熱くも冷たくもない雰囲気で、水のように空気のように、不思議な感触でもって私を攫うのだ。 どこかへ連れてこられ、そこを見渡せば、いつもそこには「旅」というものが広がっている。 たびはやはり、このように地上をはしつ箱のような乗り物でおこなうものなのだ。 -------------------------------070523-050117 |
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あめがふる 雨が降る あめがふる 雨が降る くさがぬれる 草が濡れる くさのうえのしずくがおちる 草の上の滴が落ちる かさはくるくる 傘はくるくる あたってこわれた 当たって毀れた どこもかしこも ぬれたはいいろ どこもかしこも 濡れた灰色 みずみずしいのはみどりのものだけ 瑞々しいのは緑のものだけ そらはしろくてはいいろで 空は白くて灰色で つちはくろくてでろでろしてる 土は黒くてでろでろしてる めにあざやかはみどりのいろだけ 目に鮮やかは緑のいろだけ あめのひにはいちばんめだつ 雨の日にはいちばん目立つ ぬれたこいしのねむるかお 濡れた小石の眠る顔 あめのひにはいちばんつややか 雨の日にはいちばん艶やか けぶるあおこそしこうのいろよ けぶるアオこそ至高の色よ あめのひにはいちばんきれい 雨の日にはいちばん奇麗 ぴかりとひかるらいめいのかお ぴかりと光る雷鳴の顔 あとにひびくはてんたたくおと 後に響くは天叩く音 ざわめくこえさえきこえない ざわめく声さえ聴こえない それこそみどりのおもわくどおり それこそ緑の思惑どおり -------------------------------070516-17 |
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