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そんなことできないわ、と言う でも、もういやだわ、つまらない、と言う そもそも、自己の表現の場としては整備が未熟すぎた、と言う いきおいというか、情熱はあったのだけどね、と言う 考えが甘かったのよ、と言う すこし、内容を固定的に考えてしまったからね、と言う もっと柔軟に、さまざまなことを描いてゆければよかったのに、と言う さいしょから、完璧な世界観や世界といったものをつくろうとしてしまったのが原因かな、と言う そういったところは心惹かれるが、一貫してその世界を貫き通すことはむずかしい、と言う まず、つくってみて、つづけてみて、やがてそういった風にできあがる、というのが本当なんだろうね、と言う こんどは、もっとべつのかたちでやってみましょ、と言う それを目指していくのは別にわるいことじゃないわ、と言う でも、さいしょから、何か一定した世界があるというのは憧れなんだ、と言う 不変のものなんてないのよ、と言う あなた、あきっぽいんだから、さいしょからなんて無理よ、と言う そういう、あきっぽさのおかげで色々なものが集まって、それが全体からみればひとつのせかいになっている、というのでいいんじゃないかな、と言う そうかもしれない、それをめざそう、と言う じゃあ、決まりね、と言う そう、決まりだ、と言う ここはしばらくおしまいにして、つぎの開拓地をさがしましょ、と言う じゃあ、ここでおわかれね、と言う また、つぎの場所で、と言う そうね、つぎのばしょで、と言う さよなら、そしてこんにちはを言う日まで、と言う またあいましょう、と言う つぎはちゃんと、すてきなところがつくれるといいね、と言う 積み重ねが大事よ、と言う 規定とか、がっちがちなのは、あまりないほうがいいなあ、と言う そういったものものが、まとめておいておけるところがいいだろう、と言う つまり、さまざまなものを、と言う さあ、いくよ、はやく、と言う ああ、そうだ、つぎのところでは、たくさん路線変更しようね、と言う それもどうかと思うわ、と言う だってそうじゃないとつまらないじゃないか、と言う 記録をとっておけばいいだろう、と言う その余力があったらね、と言う おいおい、もうはなしはやめにして、つぎのことをかんがえようぜ、と言う じゃあ、こんどこそ本当に、と言う
これでおしまい、と言う PR |
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その白い花の匂いが立ち込めている 夏の始まりをつげた日 ふりかえったさきにいたのは 星が好きなひとだった 熱い空気の塊が全身にまとわりついて身体をおもくする 目を細めて あくびをする猫が尻尾をふった ------------------------------- 一年に一度しか逢えない恋人同士 きっと私たちにとっての一年は、彼らにはもっと短い時間なのでは、と思います |
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甘い匂いが汗とまじりあい、そのひとの体臭が「 」色に甘く染め上がった たちのぼるその「 」色が、きらいだ 惑わすためのその色なんて、なくなってしまえばいい 嗅覚から侵入するのは甘くて刺激的な匂い、 聴覚からはとろかすような声が、 視覚からは蠱惑的な姿が、 触覚からは頬にあたる感触が、 味覚からは与えられた罰が、 その存在全てが意識を侵蝕する 退化した第六感が告げる ひとには抗えぬモノをその身にひそませるものにつかまってはならない、と まだつかまってはいない けれど、めぐらされた蜘蛛の糸にとらえられることなく、この生涯を終える自信もない ああ、何故、目の前にはそのひとがいるのだろう 混濁しつつある意識のなかで、甘くて苦い、刺激的なその色を嗅いだ やっぱり、そのひとの纏う「 」色は、すきになれない -------------------------------070629 |
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曇り空のようなミルクパズルの謎を解き明かせ ほろほろ崩れる紅茶のクッキー扉の鍵のふりしてる 駒には海色に煌めくすべすべのガラス石を スプゥンですくった分だけの液状金貨をさしあげよう |
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ハリボテのように 頼りなくて 少し 不細工な 星 ソレを つくった 小さな指が くすぐったそうに 離れていった はりめぐらせた 紺色の天幕 は 夜空 眠っている 羊のヌイグルミ は 浮かぶ雲 壁に かかった 大きな皿 は 月 縫い付けられた 硝子玉 はぐれたボタン ビールの王冠 そんなものら は 星の群れ ベッドのそば に 吊るした紙製の星 は 北極星 部屋のなかに 手作りの夜空が広がった 小さな指の持ち主は満足そうに ぐっすり眠って夢をみる 船長になったベア と 空飛ぶ船で 冒険にでかけた |
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アンティークという名の喫茶店に私はいました。 西洋的で懐古趣味の雰囲気があちらこちらに満ちています。 ここはケーキ屋さんと紅茶や珈琲の専門店をくっつけたようなお店。 はじめて来るお客さんよりも、長年通ってくる常連客の方が多いんじゃないのかと思います。 私はこのお店に来てまだ数ヶ月ほどで、いまだに少しの緊張と共に席につくのです。 お店の中は、外の時間よりもゆっくりと時間が進んでいるような気がします。 言葉がうまく使えない私でも、幻想的な空間というのに間違いはないと断言できます。 三日月やウサギやスプーンや陶器のお皿、大きな振り子時計やお店の店員さんまで、そこいらじゅうに匂いたつ不思議で非日常的な空気を持っているのです。 りんごのパイがホールごと宙を旋回しながら向こう側へ落ちるのを見ました。 ぽろり、とフォークの先からミルフィーユをこぼしてしまったのは内緒です。 ぽかん、と口をあけて呆けていた私は、遠くのテーブルにいた店員さんがチラリとこちらに視線をやるよりも一瞬はやく正気に戻ることが出来ました。 ごくり、と気を落ち着けるために喉を潤したのですが、さきほど見てしまった向こう側が気になってどうしようもありません。 ちろり、と眼だけを動かして向こう側を見てしまいそうになるのを何とか抑えて、無事に、何事もなく、お店を出て帰路につくことができました。 それにしても、さっき見た向こう側はいったいなんだったのでしょう。 -------------------------------070624 |
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あなたの知らない世界 を わたしの知る世界 に したいのです 。 そういう モノ ら で わたしを埋め尽くしてしまいたいのです 。 ( こんなふうにおもう わたしはなんて 傲慢で臆病 で 浅はかで低俗 なのでしょう 。) ( 欲深な 無感動な 怠惰な 矛盾した まわりくどく 単純 で 漆喰で塗り固めたような そんな自分 。) ( こんなふうに嫌悪するたび 安心もするというのは なんと嫌気のする作業でしょう 。) わたしは別に あなた など 気にはしていないのです 。 ただ 未だ知り得ぬ モノガタリ を この身に宿らせて ゆきたいだけなのです 。 そう わたしは じつをいえば ほんとうのところ あなたのことなど 何も知りはしない し 、 あなたという存在にさえ 気をかけたこともなく 見たこともないのです 。 出逢うこともない 誰カ に 負けることなく そして 勝つことも無く わたしはわたしのままで 、 ものがたり という 世界に 身を 浸し そして モノガタリ の 一部 に なろう と あがき 、 浸りきることもなく ただ 外側を撫ぜるように 吟味し 指に触れたモノを抜き取るのです 。 あなたも知らない世界 を わたし の 世界 の 一部 に してしまいたいのです 。 見知らぬその人も知らぬ そういう モノ が わたしは欲しい 、そして すれ違うその人も知る そういう モノ も わたしは欲しい のです。 世界は わたしの欲しいものばかり 欲しくないものばかり 。 そんなトコロです 。 さしだされたものを受け取るのはむずかしく 、 選び取ることもむずかしい という こと を 忘れてはいけない と 思うのですが どうなのでしょうか 。 そういえば あなた という存在はなんなのでしょう 。 いまだ辿りつくことのない 先 の モノなのでしょうか 。 わたし としては まだ見ぬ あなた が モノガタリ で あることを 望むばかりです 。 ------------------------------- |
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