いずれもが城の住人

僕は茨色の服を着た王子様

君は硝子色の涙を零す人魚姫


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　嶽本野ばらサンの『それいぬ　正しい乙女になるために』を読んだ後、浮かんできたイメージのひとつです。
　私は野ばらサンの作品を他に読んだことはありません。
けれど『それいぬ』の頁毎に写し取られた乙女世界は、目から鱗が落ちそうなくらい圧倒的･･･。
　個人的にその内容によっては賛否が分かれるところも多々あるのですが、野ばらサンの投げかけるメッセージの一つ一つには考えさせられるものがあります。たしかに乙女の聖書と呼ばれるのもうなずけるというものです。

　また、読後の素晴らしい充実感からか、

　　　　「今まさにこぼれ落ちるため息は、きっと甘い毒なのだわ」

　と錯覚さえしてしまいそうなほどです。


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　　　『それいぬ　正しい乙女になるために』／嶽本野ばら
　　　　〈乙女の指針をしめす聖書的補助読品）
　効用　　乙女の気分に浸れる／乙女の美学を学ぶ機会が訪れる
　読後の症状　　ため息が甘い毒に変わる