本日三月三十日金曜日。
『薔薇ノ木ニ薔薇ノ花咲ク -愛蔵版-』がお家に届きました。
黒猫宅急便屋サンがくるまでの時間がまちどおしくて、ずっとそわそわしながら配達時間をまちました。
配達時間の指定をしなかったので、夜の二十時過ぎにトラックはやってきました。
夜や夕暮れといった時刻こそ、この薔薇の世界への入り口にふさわしいと思ったのです。
でも、きらめく昼の陽射しのなかで、昭和初期の不可思議に心惹かれる世界を堪能するのもよろしいかもしれません。だって「薔薇ノ木ニ薔薇ノ花咲ク」の陰影がくっきりと、白昼夢のように現れるかもしれないし。
今日という時間は薔薇の世界を純粋に味わうためのスパイスでした。
それは届けられた箱を開けたあとに感じた、少しの失望をほんのすこし慰めてくれました。
何ということは無いはずです。
ただ、オフィシャル通信販売限定特典が破損していたというだけ。
首と身体が残酷にも離れ離れになっていただけ。
けれども、それははやる胸の喜びと期待という実をしぼますには充分な要素だったのです。
ちいさな根付人形の中では、いちばん気になっていたものだったからなおさらに。
メールで連絡をしたはいいけれど、なんだか「薔薇ノ木ニ薔薇ノ花咲ク」を手に取る気力がなくなってしまいそう。
中身を確認する作業も、いつもならもっと心弾むものなのに。
嗚呼、今このときに、薔薇の世界を遊ぶ方々が羨ましい。
逆恨みとわかっていても、なんとも遣る瀬無いことか。
自分の軟弱さが恨めしい。
ちいさなことを気にしすぎない、割り切る、という技術をはやく習得しなくては。
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誰かの悩める溜息が、草花に憂う表情を教えるのだとアナタは言った。
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