むせかえるほどの薔薇の匂いに、 私は感覚を麻痺させられる。
眩む視界は淡く薄く霞がかり、時折、鮮烈な薔薇色が目の前に現れる。
陽の浮かぶなか、煌めく庭園は穏やかな緑の色に濃く彩られ、
月の吊り上げられた空には、灯された綺羅星が幽かに微笑む
炎を想わせる眼の輝きは、気高さと焦がれる恋心を花に教え、
水は鏡のように真澄て眠り、草花に命の滴と微睡む夢を与える
樹々に学ぶべき暦と真理は、満ちた世界を憂う調べにも似て、
金白銀にも劣らぬ価値は、惑わさす棘の儚さと甘美さにあり、
土と遊ぶ子らにしばしの安寧を、と慈悲深き腕を広げて祝福す
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いよいよ明日三十日に『薔薇ノ木ニ薔薇ノ花咲ク -愛蔵版-』が発売です。
せっかくなので、応援バナーをここにも貼っておきましょう。
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